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茶釜

茶釜(ちゃがま)は茶に使用するお湯を沸かす時に使用される釜のことです。茶の湯釜とも呼ばれます。

ほとんどは金属鋳造の製品ですが、南鐐、鋳銅製のものもあります。 茶釜は世界に類をみない鋳鉄製品の技術の精華と言うことができます。

原型となったのは古代中国にみられる鼎(かなえ)ですが、茶に使われたものとしては、陸羽(りくう)の「茶経」に「或作釜(ふあるいはかまにつくる)」とありますので、釜は生鉄で作られたものが始まりと言えます。 日本でもお湯を沸かすための釜は「日本書紀」に「釜に赴きて探湯す」と盟神探湯(くかたち)の記事がみらます。

鎌倉時代の「古今著聞集」には「片かま」「わきかま」とあり、「堤中納言物語」に「能登鼎」「讃岐釜」とあって釜が登場しますが、いずれも喫茶用の茶釜ではありません。 しかし、「慕帰絵詞」や「掃墨物語絵巻」などに風炉釜や鑵子(かんす)釜の絵がみられるため、鎌倉末期から南北朝時代に茶の湯釜が作られ始め、室町初期には優秀なものが多く鋳造されたのではないかとされています。