茶器の収集も盛んになり、大金をはたいて本場中国より取り寄せ、それを使用した盛大な茶会が大名の間で流行しました。禅宗と結びついて発展したはずの茶の湯は、いつの間にか派手で贅沢な茶会へと移り変わって行ったのです。
しかしその一方で、室町時代中期の茶人である村田珠光が、当時の贅沢な茶会や道具を良しとはせず、粗末な珠光茶碗を賞賛しました。珠光は茶の湯は心の道であり、人の成長をもたらすものであると示唆しています。この思想の背景には、おそらく禅宗の影響があったものと思われます。この思想こそ後のわび茶の源流となって行ったのです。
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