日本の伝統文化の一つである茶道の世界に気楽な気分で入っていきましょう。本サイトでは、茶道具、茶道のなりたちをご紹介します。
茶道具は、陶磁器や漆器の独特の色や模様はひとつとして同じものがなく味わい深い趣があります。
茶の湯独特の雰囲気や境地を、世間でよく「わび・さびの世界」などと呼ぶことがあります。その意味するところは、閑寂(かんじゃく)、清澄(せいちょう)、あるいは枯淡の境地をあらわしています。このもの静かでどことなく寂しげな境地、あるいは色彩感を否定したような枯淡なおもむきを美意識として発展させたところに、日本文化の独自性があります。
もともと、「わび」という言葉は、動詞の「わぶ」気落ちする・つらいと思う・落ちぶれるなどの意から出た言葉で、また、「さび」も動詞「さぶ」古くなる・色あせるなどの意から生まれた言葉です。「わび」という言葉の根元には「思い通りにならないつらさ」があり、「さび」という言葉は「生命力の衰えていくさま」という意味があります。ですから、ともに否定的感情をあらわす言葉なのです。
ところが、こうした否定的な感情をあらわす言葉が逆に評価され、「美を表す用語」として茶の湯の世界や俳諧などの文芸の世界で通用するところに、日本人独自の美意識や文化のとらえ方があるといえます。
「わび」「さび」という言葉が、美を感じさせる言葉に変化していくのには、その背景として和歌文学の伝統がありました。平安時代から鎌倉時代に至る和歌的世界で、閑寂・簡素・枯淡の境地が生み出されたのです。
客人を招いて一碗の抹茶をすすめる。あくまでもこれは、茶道の一部の作法にすぎません。お茶をいれる、いただく所作はもちろん道具、建築、掛け物や置物、木や草にいたるまで、静寂の中にある日本の美を感じ取るのが茶道の心得です。あわただしく、時間に追われている毎日の人へ茶道を学ぶことは自分を取り戻すきっかけになるかもしれません。
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